歯並びはどうやって決まるの?

   

実は、赤ちゃんの頃からの育ち方が関係しています

「歯並びが悪いのは、遺伝だから仕方ないですよね?」

お子さんの歯並びについてお話ししていると、こんな声を聞くことがあります。

確かに、歯や顎の大きさ・形などには遺伝的な要素があります。
しかし、歯並びは遺伝だけで決まるものではありません。

日本歯科医師会でも、歯並びには遺伝だけでなく、日頃の姿勢や口呼吸、指しゃぶりなどの口腔習癖、口周りの筋肉のバランスなど、後天的な要因が関係するとされています。
では、歯並びはどのようにして作られていくのでしょうか?

 

歯は「並ぶ場所」に並んでいる

歯は、自分の力で好きな場所に生えてくるわけではありません。
歯が生える土台となる顎の成長と、舌・唇・頬など口の周りの筋肉の働き。

その中で、歯は周囲から受ける力のバランスによって、少しずつ位置を決めていきます。
特に大切なのが「口腔機能」です。

食べる、噛む、飲み込む、呼吸する、話す。
こうした毎日の何気ない動きが、舌や唇、頬などの筋肉を使うことにつながっています。

日本歯科医師会も、咀嚼・嚥下・呼吸などの口腔機能と歯列には密接な関係があり、正常な口腔機能が歯列形成に関わると説明しています。

 

「姿勢」もお口とつながっています

意外に思われるかもしれませんが、姿勢も口腔機能と無関係ではありません。
私たちが飲み込むときには、舌や唇だけでなく、頭や首、体幹なども関係しています。

例えば、以下のような状態が続くと、舌の位置や口の周りの筋肉の使い方にも影響することがあります。

いつも猫背で過ごしている

頭が前に出ている

口がポカンと開いている

また、口呼吸や舌の位置、指しゃぶりなどの習慣も、長く続くことで歯並びや顎の発育に影響する場合があります。
だからこそ「歯が生えてから歯並びを考える」のではなく、もっと早い時期から「お口がどのように育っているか」を見ていくことが大切なのです。

 

実は赤ちゃんの頃から始まっている

口腔育成というと、「歯が生えてきた子どもの話」と思われがちです。
でも、お口の機能はもっと早い時期から育っています。

赤ちゃんが首をしっかり支えられるようになり、寝返りをし、座り、はいはいをして、立って歩く。
こうした全身の発達は、食べる・飲み込むといった口腔機能の発達とも無関係ではありません。

そして、授乳や離乳食の進め方、食べる姿勢など、日々の生活の中で少しずつ「食べる力」が育っていきます。
抱っこの仕方や寝かせ方についても、「これをすれば歯並びが良くなる」という単純なものではありませんが、赤ちゃんの発達や姿勢を考えるうえで大切な視点になります。

大切なのは、特定の方法だけを頑張ることではなく、その子の発達を見ながら、全身とお口を一緒に育てていくことです。

 

「歯並びを良くする」より「育ちやすい環境をつくる」

ここまで読んで、「じゃあ、子どもの歯並びのために何をすればいいの?」と思われるかもしれません。
まず意識したいのは、普段の様子を「観察してみる」ことです。

お口がいつもポカンと開いていないか

鼻で呼吸できているか

食事のときの姿勢はどうか

しっかり噛んで食べているか

飲み込むときの舌や唇の使い方はどうか

指しゃぶりなどの習慣が長く続いていないか

歯並びは、ある日突然決まるものではありません。
遺伝的な要素もありますが、それだけではなく、顎の成長、口腔機能、筋肉の働き、呼吸、姿勢、日々の習慣など、さまざまな要素が重なりながら形作られていきます。

だからこそ、子どもの歯並びを考えることは、「歯をどう並べるか」だけを考えることではありません。
食べる、呼吸する、飲み込む、話す、動く。そんな毎日の「育ち」を大切にすることが、結果として健やかなお口の発達を支えることにつながります。

「歯並びが悪くならないように」と頑張るのではなく、「この子のお口は、ちゃんと育っているかな?」
そんな視点で、お子さんのお口を見てみることから始めてみませんか。

 



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